abduction(英語表記)abduction

翻訳|abduction

世界大百科事典(旧版)内のabductionの言及

【パース】より

…パースはこの体系を完成することはできなかったが,その厳密な基礎学となるべき〈現象学〉を創設し,さらに,その現象学の原理――パースは〈第一性〉〈第二性〉〈第三性〉と呼ばれる三つの普遍的現象学的カテゴリーを導き出している――に基づいて緻密な記号の分類を行いつつ,きわめて独創的・包括的な記号理論(記号学)を創設した。論理学においても三つのカテゴリーにしたがって論証を〈演繹(えんえき)〉〈帰納〉〈アブダクションabduction〉の三つのタイプに分け,それぞれの論理について多くの著述を残している。形而上学では普遍的一般的法則的なもの(現象学的には〈第三性〉と呼ばれる存在の様式)の実在を主張する独自のスコラ的実在論の立場に立って,それをプラグマティズムの形而上学的前提とし,さらにその立場から形而上学の諸問題を論じている。…

【発見法】より

…発見に関係する推論は,仮説を提起する〈発想〉であり,これは通常の形式論理学の枠内に入らず従来無視されてきた。しかし歴史的にもすでにアリストテレスは,〈演繹synagōgē〉と〈帰納epagōgē〉のほかに〈還元apagōgē〉をとり上げており,C.S.パースはこれを〈アブダクションabduction〉と訳して,その仮説提起的な発見的思考の意義を強調していた。 こうした発見法としての発想の諸型として,〈類推〉〈普遍化〉〈極限化〉〈システム化〉などがあると考えられる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」