DRSボタン(読み)でぃーあーるえすぼたん(英語表記)Drag Reduction Systems

知恵蔵mini 「DRSボタン」の解説

DRSボタン

F1マシンに用いられているドラッグ(空気抵抗)抑制システムのことで、日本語では「ドラッグ低減システム」と呼ばれる。ドライバーがDRSボタンを押すと、リアウイングのフラップ(上下に動く羽)が寝ている状態になり、タイヤ地面に強く押し付けていた空気抵抗が低減する。これによって、スピードが出やすくなり、追い越しを促進させる。フラップが立っている状態では、タイヤを地面に強く押し付ける力「ダウンフォース」が働き、コーナリングがしやすい反面、空気抵抗が高まり、トップスピードは伸びなくなる。逆にフラップが寝ている状態だと、ダウンフォースが弱まり、空気抵抗が減ってトップスピードは伸びるが、タイヤを地面に押し付ける力が減るために、加減速やコーナリングのコントロールが難しくなり、走行が不安定となる。DRSボタンを押すとマシンは直線ではおよそ10km/hほど速くなる。マシンのフラップの可変は5センチメートルまで許されており、2011年にF1のレギュレーションに採用された。

(2015-6-9)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android