世界大百科事典(旧版)内のHilālの言及
【マグリブ】より
…14世紀チュニス出身の学者イブン・ハルドゥーンの《イバルの書》によれば,ベルベルは,ザナータZanāta系,サンハージャṢanhāja系,マスムーダMaṣmūda系に大別される。ザナータ系はもともとはトリポリタニア地方やチュニジアの遊牧民で,アラブの侵入に対しては比較的協力的であったが,アラブ遊牧民ヒラールHilāl族とスライムSulaym族の侵入によって西方へ追いやられ,アルジェリア西部からモロッコ(リーフ山地など)にまで住みつくようになった。サンハージャ族も広く分布するが,カビール地方の定着農耕民とサハラ西部の遊牧民の二つの主要グループに分けられる。…
【リビア】より
…しかし,家族を連れた多くのアラブ軍人や,宗教家,商人が征服地の都市に住み,アラブ化した都市が軍事,行政,経済の中心として繁栄するや,周辺の住民はアラビア語を自らの言語とし,急速にイスラムに帰依していった。11世紀半ばにヒラールHilāl族をはじめアラブ遊牧諸部族が大挙して北アフリカに移住し現地住民と混血したことも,アラブ化・イスラム化に拍車をかけた。北アフリカに進出したムスリム商人は,黄金,象牙,ダチョウの羽根,奴隷などを求めてサハラ砂漠南縁の内陸アフリカへ下った。…
※「Hilāl」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」