サヘル

デジタル大辞泉 「サヘル」の意味・読み・例文・類語

サヘル(Sahel)

サヘル地帯

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百科事典マイペディア 「サヘル」の意味・わかりやすい解説

サヘル

西はモーリタニア南部から東はチャド中南部(スーダン,エチオピア西部を含める場合もある)まで東西帯状に延びる,サハラ砂漠南縁部の地域。その名称は,縁,境界岸辺などを意味するアラビア語〈サーヒル〉に由来する。南北の幅は190〜290km。植生ステップサバンナ。1年の大半乾季で,降雨量は6〜8月の雨季でも少なく,年間200ミリ程度にすぎない。干ばつが起こりやすく,〈アフリカの飢餓ベルト〉とも呼ばれる。→砂漠化
→関連項目スーダン(地域)フルベマリ(国)

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改訂新版 世界大百科事典 「サヘル」の意味・わかりやすい解説

サヘル
Sahel

アフリカ,サハラ砂漠南縁の地域名。セネガル北部,モーリタニア南部から,マリ中部,ニジェール南部,チャド中南部まで,西から東に帯状に延びる。乾燥したサハラ砂漠から熱帯アフリカへの漸移地帯で,植生はステップないしサバンナ景観を示す。1年の大半は乾季で,6月から8月にかけての短い雨季に200mm前後の雨が降る。遊牧民の生活舞台であるが,セネガル川ニジェール川,チャド湖の沿岸では農耕も見られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サヘル」の意味・わかりやすい解説

サヘル
Sahel

アラビア語でサーヒル Sāhil。セネガルからスーダンにいたる西アフリカの地方。帯状地帯で,サハラ砂漠を西アフリカ熱帯雨林地域から分ち,セネガル北部,モーリタニア南部,マリのニジェール川の大湾曲部,ニジェール南部,ナイジェリア北東部,チャド南中部に及ぶ。降水量は年 100~200mmで,おもに6~8月に限られ,草原の中に藪やアカシアなどの生えるサバナ地帯で,ラクダ,ウシ,ヒツジなどの自然の牧場となっている。農産はおもにナンキンマメミレット (雑穀) であるが,一部に過度の耕作と放牧のため砂漠化が進んでいる。

サヘル[北アフリカ]
サヘル[きたアフリカ]
Sahel

アルジェリア北東部,ベジャイア港を河口にもつスーマーム川流域から,チュニジア東部の沿岸平野までを含めた地方をさす。地中海性気候に恵まれ,雨量も多く,温暖で,オリーブ,柑橘類の栽培が盛ん。

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世界大百科事典(旧版)内のサヘルの言及

【アフリカ】より

… このようなメカニズムによって,北アフリカの中央には広大なサハラ砂漠が広がり,南アフリカの中央には,カラハリ砂漠とナミブ砂漠が出現している。サハラ砂漠の南縁の部分はサヘル地帯と呼ばれ,砂漠と森林地帯の境として活発な交易の行われている所であるが,赤道西風の北上が少ない年がときどきあり,そのときには,激しい干ばつにみまわれる。西アフリカの干ばつが報告されるときに出てくる国名が,セネガル,マリ,オートボルタ,ニジェール,チャド,スーダンなどであるのは,これらの国がサヘル地方に位置しているためであって,そのときでも,リベリア,コートジボアール,ガーナ,カメルーンなどの国名が現れないのは,これらの地方が,赤道西風吹走の中心部にあたっているためである。…

【マグリブ】より

…すなわち,地中海岸に沿った平地は,夏は乾燥・高温,冬は比較的多雨の地中海式気候区に属しているので,果樹や穀物栽培に適している。ここは,古くはローマ帝国時代から小麦を中心とする穀倉地帯であったし,チュニジア東部海岸,ハマメトからスファックスのいわゆるサヘル地帯は,今日に至るまでオリーブの産地として有名である。また,かつてのローマやフェニキアが建設した都市,例えばアルジェリアのシャルシャル(シェルシェル),チュニジアのウティカやカルタゴなどと同様に,カサブランカ,アルジェ,チュニスなど現在の主要都市も,多くがこの気候区に位置している。…

※「サヘル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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