世界大百科事典(旧版)内のIgE抗体の言及
【アレルギー】より
…病因となる抗原に生体が触れると(吸入,経口,注射などの経路で),生体はそれに対して抗体を産生するようになる。これらの抗体のうち,免疫グロブリンであるIg E抗体(レアギンreaginともいう)は組織固着性があり,結合組織中に存在するマスト細胞の表面に固着する。そこに病因となる抗原が再び侵入してくると抗原抗体反応がマスト細胞の表面で起こり,その結果,マスト細胞に含まれている顆粒が脱顆粒現象を起こし,顆粒の中に含まれているヒスタミン,SRS‐A(slow reactive substance of anaphylaxis),ECF(eosinophile chemotactic factor)などの化学伝達物質を細胞外に遊離する。…
【アレルゲン】より
…アレルギー【村中 正治】。。…
【気管支喘息】より
…なかでも解熱鎮痛剤の服用により発作が出現するアスピリン喘息は,気管支喘息患者の約10%に見られるが,急速に重篤発作をきたす場合が多いため,薬の服用には十分な注意が必要である。
【診断,重症度】
気管支喘息の診断は,前述の症状の問診や聴診所見が中心となるが,アレルギー検査として血清IgE値,血中好酸球数,アレルゲン検索(皮膚反応や特異的IgE抗体測定,ヒスタミン遊離試験など),喀痰検査などが参考となり,また呼吸機能検査や胸部レントゲン撮影なども行われる。 気管支喘息の重症度は,軽症,中等症,重症の3段階に分けられる。…
【寄生虫アレルギー】より
…寄生虫によるアレルギー症状をはじめて認めたのはゴルトシュミットRichard Benedict Goldschmidt(1910)で,ウマカイチュウの研究をしている動物学者の中に結膜炎,頭痛,手指の腫張や痛み,激しい咳発作や喘息(ぜんそく)症状を示す者があることを記載している。寄生虫感染によってアレルギー反応が起こる理由としては,寄生虫の虫体あるいは分泌排出物中にアレルゲンとなる抗原物質が含まれていること,感染によってIgE抗体の産生を効果的かつ持続的に促すヘルパーT細胞が容易に誘導されてくることなどが挙げられる。寄生虫に対するIgE抗体が産生されると,それは組織内のマスト細胞(肥満細胞)や血液中の好塩基球の細胞膜上のレセプターに結合する。…
※「IgE抗体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」