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気管支喘息 きかんしぜんそくbronchial asthma

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

気管支喘息
きかんしぜんそく
bronchial asthma

アメリカ胸部疾患学会の定めた定義によると,気管支喘息とは気道反応性の亢進と可逆性の気道狭窄を特徴とする疾患で,いろいろな刺激に対して気管支の反応が高まって,広範な気道狭窄によって発作性に始まる喘鳴,咳,呼吸困難などの症状が繰返し起るが,その症状の強さは自然にあるいは治療によって変化する疾患をいう。また特定の心肺疾患によるものは除外される。発病は 10歳以前が多いが,壮年期,老年期にも発病する。原因によって,特定のアレルゲンを吸入して起る外因性喘息と,特定のアレルゲンが認められない内因性喘息に分けられる。後者は,呼吸器感染や,ストレスに対する心因反応として生じる。最近は,大気汚染による喘息も増加している。対策として最も有効なのは,原因を取除くことである。発作時にはイソプロテレノールの吸入,アミノフィリン,塩酸エフェドリンなどが効果がある。副腎皮質ホルモン剤も有効である。

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デジタル大辞泉の解説

きかんし‐ぜんそく〔キクワンシ‐〕【気管支×喘息】

アレルギー自律神経の変調などが絡み合って、気管支の痙攣(けいれん)収縮、粘膜の浮腫(ふしゅ)、粘液分泌の増加が起こって気道が狭められ、発作的に喘鳴(ぜんめい)を伴う呼吸困難を呈する病気。

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百科事典マイペディアの解説

気管支喘息【きかんしぜんそく】

アレルギーや細菌感染によって起こる,数分から数日にわたる気管支腔の狭小化による呼吸困難。発作性の息切れと喘鳴(ぜんめい)を伴う。気管支粘膜の腫脹(しゅちょう),粘液の分泌亢進,気管支壁平滑筋の収縮による。
→関連項目アレルギー性疾患アレルギー反応アレルギー・マーチ気候療法気象病公害病小児喘息鎮痙薬テオフィリン白血球増加症副腎皮質ホルモン剤ラッセル音

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栄養・生化学辞典の解説

気管支喘息

 気道が過敏になり呼吸時に気道の閉塞が起こるなどの症状を呈する疾患.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

きかんしぜんそく【気管支喘息 bronchial asthma】

気管支喘息とは,発作性の呼吸困難と喘鳴(呼吸時のヒューヒュー,ゼーゼーという音)を特徴とする呼吸器疾患である。
[歴史]
 asthma(喘息)の語はギリシア語に由来し,〈あえぎ呼吸〉の意味である。喘息についての記載は,すでにヒッポクラテスによってなされており,その中で〈asthmaになったら怒りをしずめよ〉と心理的要因の重要性を説いている。今日,日本語として使われている〈喘息〉という文字は,中国最古の医書《素問》や《霊枢》(《黄帝内経》)にみることができる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

きかんしぜんそく【気管支喘息】

アレルギー反応などによって気管支の平滑筋が痙攣けいれんをおこし細くなるため、発作的に呼吸困難をおこす病気。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

気管支喘息
きかんしぜんそく

可逆的な広範な気道閉塞(へいそく)により、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)を伴う発作性の呼吸困難をおこす疾患で、特定の心・肺疾患によらないものをいう。気道閉塞は、気管支平滑筋のれん縮、粘膜の浮腫(ふしゅ)、粘液分泌の増加によりおこる。
 病因については古くより多くの説があり、そのこと自体が発症機序の複雑性を物語っているが、主因をなすものはアレルギーと気道過敏性である。気道過敏性は、気管支平滑筋を収縮させる作用のあるヒスタミン、アセチルコリン、メサコリンなどを吸入させて検査することができる。その反応性は健常人に比べて約100倍も過敏である。このため種々の物理的、化学的気道刺激により喘息発作がおこることになる。またアレルギーの機序による喘息発症は、主として型アレルギー反応が気道でおき、化学伝達物質が遊離されて気道の狭窄(きょうさく)をおこすことによるが、アレルゲンとして重要なのは室内塵(じん)(おもにダニ)、カビ類、花粉類、動物の毛やふけなどである。種々の職業性喘息もある。このほか、気道感染、天候の変化、気温の急激な変化、精神的ストレス、運動、過労、過食なども喘息の誘発ないし増悪因子となる。アスピリンなどの消炎鎮痛剤によりおこる、いわゆるアスピリン喘息もある。発症には遺伝的素因も重要な役割を演じており、遺伝が濃厚なほど小児期に発症する。
 気管支喘息は、その発症機序によりアトピー型(外因性ともいわれ、アレルギーの関与が明らかなもの)と感染型(内因性ともよばれ、感染が重要な要因をなしているもの)および混合型とに分類されるが、アトピー型のものは10歳以下に、感染型は40歳以後に発病するものが多い。発生率は全人口のほぼ1%である。
 症状としては、喘鳴を伴った呼吸困難発作をおこし、治まってしまえば完全に元の状態に戻る(可逆性)のが特徴である。痰(たん)は粘稠(ねんちゅう)で喀出(かくしゅつ)が困難なことが少なくない。気道感染を合併すると痰は膿(のう)性となる。わずかな喘鳴を伴うだけの軽症のものがある反面、重症になると起坐(きざ)呼吸をするようになる。チアノーゼの出現は危険信号である。発作の寛解期は無症状であるが、慢性型となると発作間欠期にも喘鳴がほとんど常時存在する。発作は夜半ないし早朝におこることが多く、季節的には秋、梅雨時に多い。発作時には肺野全体に乾性ラ音(聴診によって聞こえる一定の高さの連続音)が聴取され、肺機能検査では1秒率の低下、気道抵抗ないし呼吸抵抗の増加が認められる。アレルギー検査も原因アレルゲン検索、治療方針決定のために必須(ひっす)のもので、皮膚反応、RAST、吸入誘発試験、血清IgE値測定などが行われる。
 治療としては、原因アレルゲンや種々の発作誘発・増悪因子を取り除き、避けることがたいせつである。対症療法としては、気管支拡張作用のある交感神経刺激薬、テオフィリン系薬、抗コリン薬が単独または併用して使われ、抗ヒスタミン薬、鎮咳(ちんがい)剤、去痰薬、抗生剤なども症状に応じ使用される。重症喘息では副腎(ふくじん)皮質ステロイド薬が必要となる。発作が毎日のようにおこる場合には、発作予防作用のある化学伝達物質遊離抑制薬(吸入薬のインタール、内服薬のトラニラストやケトチフェン)、全身的副作用がほとんどない吸入用ステロイド薬であるベクロメサゾン(定量噴霧式ネブライザー)が使われる。原因アレルゲンの除去・回避が不可能な場合には減感作療法が行われる。非特異的変調療法として金(きん)療法やヒスタミン加ヒトγ(ガンマ)グロブリン療法なども行われる。小児の喘息の60~80%は成長とともに消失する。成人の喘息は症状が持続するものが少なくないが、適切な治療により日常生活に支障ないよう症状を改善することができる。重篤な発作ではときに死亡することもあるので注意が必要である。[高橋昭三]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の気管支喘息の言及

【アレルギー】より

…すると,これらの化学伝達物質の作用によって,血管の透過性の亢進,平滑筋の収縮,腺分泌の亢進,好酸球の遊走などの反応が起こり,その結果,アレルギー疾患が起こると考えられている。I型のアレルギー反応に属する疾患としては,気管支喘息,アレルギー性鼻炎,蕁麻疹の一部,アナフィラキシーショック,薬物アレルギーの一部,消化管アレルギー,昆虫アレルギーなどがある。 なおIg E産生細胞は抗原と接触する機会の多い気道や消化管粘膜にかなり多いことが知られていて,アレルギー反応の局在性を暗示している。…

【イソプロテレノール】より

l体はα体に比べて90倍くらい作用が強力であるといわれる。臨床的には,その気管支拡張作用を気管支喘息(ぜんそく)の治療に利用する。塩酸イソプロテレノールの水溶液を噴霧し,エーロゾルとして吸入するのが最も有効とされる。…

【喀痰検査】より

…血痰が肺癌の初期症状となることもある。気管支の枝わかれがそのまま鋳型になったような形の粘液やクルシュマン螺旋(らせん)体(気管支喘息(ぜんそく)などのときにみられるもので,螺旋状にねじれた糸状の粘液)など特殊な肉眼的異常がみられる。(2)細菌学的検査 結核菌など特殊な細菌が検出されれば診断を行ううえで意義がでてくるが,喀痰にはつねに口腔内の細菌(常在細菌叢)が混じるため,細菌性肺炎などでは,原因菌の断定にあたっては慎重でなければならない。…

【公害病】より

…(1)第一種地域 事業活動その他の人の活動に伴って,相当範囲にわたる著しい大気の汚染が生じ,その影響による疾病が多発しているが,汚染物質と健康被害との間に特異的な関係がなく,被害者個々人について原因物質を特定することが困難な疾病の多発した地域として指定されているもので,東京都19区,川崎2区,四日市臨海地域,大阪市全域,北九州市洞海湾地域など41地域が指定地域となっている。疾病としては,慢性気管支炎気管支喘息喘息性気管支炎肺気腫とこれらの続発症が定められており,3年間以上これらの地域に居住または通勤した者が指定疾病にかかっている場合に認定されることになっている。認定は,認定を受けようとする者の申請に基づき,指定地域を管轄する都道府県知事,政令市(区)長が医師,法律家などの専門家による公害健康被害認定審査会の意見を聴いて行うことになっている。…

【心臓性喘息】より

…心臓性喘息は慢性心不全患者に睡眠中急に起こるのが特徴的で,まれに日中でも過激な労作を行ったり,精神的興奮によってひき起こされることがある。気管支喘息にかかっている患者が,心臓病をわずらい痙攣性呼吸困難を起こしたりすることもある。したがって心臓性喘息か気管支喘息かの鑑別はむずかしいが,明らかな心臓病が指摘されていて気管支喘息の既往がなければ鑑別診断がつく。…

【喘息】より

…文字上は〈息が喘(あえ)ぐ〉状態,すなわち息がしにくいという状態を意味するが,医学上はこのような状態のすべてをさすわけではなく,突発する(発作性の)痙攣(けいれん)性の呼吸困難を意味し,それがくり返して起こるというニュアンスが含まれている。喘息には気管支喘息と心臓性喘息の二つがある。気管支喘息はアレルギーと気道の過敏性が原因となる気道自体の病気であり,心臓性喘息は高血圧,冠動脈疾患(狭心症,心筋梗塞(こうそく)),大動脈弁疾患,僧帽弁疾患などによって起こった心不全が原因となる。…

【喘鳴】より

…〈ぜいめい〉といわれることもある。気管支喘息で最もよくみられ,攣縮(れんしゆく)し細くなった気管支壁が振動して音が発生し,口から放射される。隣室でも聞こえるような強いものから,聴診器を胸にあててようやく聞きとれるような弱いものまで,その強さはさまざまである。…

※「気管支喘息」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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