内科学 第10版 「Joubert症候群」の解説
Joubert症候群(先天奇形)
概念
特徴的な小脳部の画像所見(molar tooth sign)を呈し先天性小脳失調を呈する疾患群で,新生児期からの著明な筋緊張低下,無呼吸を含む中枢性呼吸障害,眼球運動失行,精神遅滞を伴う.腎臓などの異常を合併することがあり,原因であることが明らかにされた遺伝子群の機能から,繊毛の異常による形成異常(ciliopathy)であることが明らかとなってきている.
診断
頭部MRIでは中脳下部レベルの水平断にて,上小脳脚が肥厚し水平に延ばされたような形態を示しmolar tooth signとして診断的価値がある.また,小脳虫部の欠損または低形成を認め,第4脳室の背側は深く切れ込みがありbat wing sign(umbrella sign)として診断上有用である.[岡 明]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報