世界大百科事典(旧版)内のkatholikēekklēsiaの言及
【原始キリスト教】より
…しかし,この時期にすでにキリスト教にはかなりの多様性があるので,その内容については,これに後続する時期のキリスト教,すなわち初期カトリシズムの特徴から否定的に定義せざるをえない。ところで,初期カトリシズムの特徴は,自己の属する〈教会の時〉から〈使徒たちの時〉を明確に区別し,教会を統べる単独の監督(司教)を〈使徒伝承〉の正当な継承者とみなし,この伝承を一つの〈信条〉(〈使徒信条〉の原型としての〈古ローマ信条〉)に定型化し,信条を基準にして聖書の〈正典〉を結集しはじめ,監督と信条と正典を認めないキリスト教諸派(とくにグノーシス主義)を〈異端〉として正統教会あるいは〈普遍的教会〉(ギリシア語で〈カトリケ・エクレシアkatholikē ekklēsia〉)から排斥することにある。これらの特徴の若干はすでに原始キリスト教後期にも認められるが,そのすべてが出そろうのは後2世紀の中ごろからである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」