世界大百科事典(旧版)内のperipheryの言及
【植民地】より
…この知的な雰囲気のもとで,植民地時代の見直しが開始され,しかも,資料の発掘が進んで各国に文書館が設立されたことなどから植民地の歴史学が発展し,現在では従来のイデオロギー対立とは距離をおいた実証的な植民地像が形成されつつある。【中村 研一】
【近代植民地と世界資本主義システム】
[周辺部としての植民地]
経済学的観点からみた近代植民地とは,15世紀末以降に,形成過程に入った世界資本主義システムcapitalism world‐systemに従属的に包摂された〈周辺部periphery〉であり,その従属的性格は政治的独立後も周辺部の社会経済の構造的特徴として残存している。 いわゆる〈地理上の発見〉から産業革命に至る時期の世界資本主義システムとは,その〈中心部center〉としてのヨーロッパにおいては萌芽的に資本制生産様式の出現をみつつも,世界的に膨張しつつある商業網の周辺部においては,不自由労働のもとでの商品生産形態がみられるという,過渡的かつ不均等的・複合的なシステムであった。…
※「periphery」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」