プレビッシュ報告(読み)プレビッシュほうこく(英語表記)Prebisch Report

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プレビッシュ報告」の意味・わかりやすい解説

プレビッシュ報告
プレビッシュほうこく
Prebisch Report

1964年3~6月ジュネーブで開催された第1回国連貿易開発会議総会の討議資料として,R.プレビッシュ同会議事務局長が提出した『開発のための新しい貿易政策を求めて』と題する報告書。同報告は発展途上国の1次産品輸出停滞交易条件悪化による開発の行きづまりを指摘し,その打開のためには既存の国際貿易体制の構造変革の必要性を主張して次のような提案を行なった。 (1) 発展途上国の1次産品輸出拡大の障害となっている先進国の関税など貿易諸障壁の緩和撤廃,(2) 1次産品の輸入目標の設定,(3) 1次産品の輸出・価格安定のための国際的商品協定の締結,(4) 発展途上国の製品,半製品に対する特恵関税制度の採用,(5) 交易条件の悪化による損失を補うための補償融資制度の導入,(6) 先進国の援助額の増加と借款条件の緩和,(7) 国連の機関としての新しい貿易機構の設置などで,その後の南北問題に関する議論に大きな影響を与えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報