世界大百科事典(旧版)内のPythiaの言及
【アポロン】より
…このほか,その職能が多方面にわたるうえに,りりしく美しい青年と想像されたアポロンをめぐっては,おびただしい数の神話が語り伝えられており,月桂樹に変容したニンフのダフネ,医神アスクレピオスの母となったコロニスKorōnis,円盤にあたって死んだ美少年ヒュアキントスらとの恋物語や,牧神パンとの歌競べなど,よく知られた話が多い。 崇拝の中心地はデルフォイとデロス島で,デルフォイの神託所では,結婚や病気といった個人的な問題から,植民市建設,和戦の決定などのポリスの重大事にいたるまで,ピュティアPythiaと呼ばれる巫女が神意を伝えた。ソクラテスの友人の問いに応じて〈彼以上の賢者はひとりもいない〉との託宣が下されたのも,このピュティアの口を通じてである。…
【オリンピック】より
…
〔オリンピックの歴史〕
【古代オリンピック】
古代オリンピックは,ギリシアのオリュンピア(オリンピア)で,古代ギリシアの主神ゼウスにささげる祭典競技であった。古代ギリシアでは四大祭典として,このほかデルフォイのアポロン神域で催されたピュティアPythia祭,コリントスの海神ポセイドンを主神とするイストミアIsthmia祭,ゼウスを主神とするネメアNemea祭(前573)があったが,もっとも盛大で歴史も長かったのがオリュンピアの祭典である。古代ギリシアにおける競技の歴史は,神話時代にさかのぼって古く,オリュンピア祭典競技の起源に定説はないが,記録に残る最初のオリュンピア競技は前776年に行われ,その後4年に1度ずつ開かれて,393年の第293回まで1169年の長期にわたって続けられた。…
【ピュトン】より
…大地女神ガイアの神託所の番をしていたが,アポロンに退治された。アポロンはその罪滅ぼしに,葬礼競技ピュティア祭の開催を定め,新たに開いたみずからの神託所の巫女にはピュティアPythiaの名を与えた。彼はまたピュトンの遺骸を,デルフォイのアポロン神殿の聖石オンファロスOmpharos(〈へそ〉の意で,同地が世界の中心たることを示す)の下に葬ったという。…
※「Pythia」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」