世界大百科事典(旧版)内のsotieの言及
【笑劇】より
…先駆的作品としては13世紀後半の《少年と盲人》や,ジャンルこそ違え,ファブリオー,狐物語などが考えられるが,笑劇そのものの隆盛は15世紀である。同じ時期には,主としてフランスで人気のあった道化役者(ソーsot(馬鹿者)と呼ばれた)の芝居,ソティsotie(阿呆劇)や,《エブリマン》に代表される道徳劇も流行する。しかし笑劇だけが後世まで生き残り,16,17世紀に至るまでフランス全土に栄える。…
【フランス演劇】より
…キリスト教の典礼や物語にのっとった宗教劇は,バロック時代の劇作や,J.deロトルー《聖ジュネスト》,コルネイユ《ポリュクト》あるいはラシーヌ晩年の2悲劇の例はあるものの,以後は19世紀末のP.クローデルの出現まで姿を消す。 中世ゴシック都市における大聖史劇上演には,同時代の他の舞台表現,すなわち〈阿呆劇(ソティsottie,sotie)〉〈教訓劇(道徳劇)moralité〉〈笑劇farce〉などもプログラムに組み込まれることが多かった。なかでも阿呆劇のカーニバル的反世界と笑劇の風刺的喜劇性は,イタリアやスペインの喜劇の影響とともに,17世紀喜劇の底流を作る(日本で飯沢匡翻案狂言《濯ぎ川》ともなった《洗濯桶》や《ピエール・パトラン先生》等)。…
※「sotie」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」