世界大百科事典(旧版)内のtriviumの言及
【自然科学】より
… 内容的には,経験に基礎を置き,実験・観察を重用し,数学的表現に依存することが多く,客観的普遍性を求め,確固たる因果性を法則に求める,といった特徴を言い立てられることも多いが,自然科学と他の知識領域の間に,内容上の特性からはっきりした区別を立てうる,という考え方自体,必ずしも成り立たないとする主張も最近目立つ。歴史的にみれば,ヨーロッパ中世の学問分類(自由七科)のなかでの〈トリウィウムtrivium〉の三科と〈クアドリウィウムquadrivium〉の四科は,今日の視点から内容の性格規定をすれば,〈人文系〉と〈自然系〉に分けることも可能であろう。文法,論理,修辞学のトリウィウムがことばに関する学問であるのに対して,算術,天文学,幾何学,音楽のクアドリウィウムは,自然の計測に関する学問と考えられるからである。…
【自由七科】より
…自由学芸とも訳され,思想的源流としては,古代ギリシアの,肉体労働から解放された自由人にふさわしい教養という考え方にさかのぼり,実利性や職業性や専門性を志向する学問と対立する。ローマ末期の4~5世紀に七つの科目に限定され,言語に関する三科trivium,すなわち文法grammatica,修辞学rhetorica,論理学logica(弁証法dialecticaと呼ばれることもある)と数に関連した四科quadrivium,すなわち算術arithmetica,幾何geometrica,音楽musica(もしくはharmonia),天文学astronomiaに区分される。これらは本来異教徒の学問であるが,それがキリスト教世界の法学や医学のための基礎科目だけでなく神学の基礎科目となったことは,ヘレニズムとヘブライズムとの融合の具体的あらわれである。…
※「trivium」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」