世界大百科事典(旧版)内のveduteの言及
【カナレット】より
…ベネチアに生まれ,生涯のほとんどを同地ですごす。父親にならって舞台背景の画家として出発するが,1720年ころから,当時ローマとベネチアで台頭した新分野,〈ベドゥーテvedute(都市景観図)〉の画家として活動,多大な成功を収めた。正確な遠近法,綿密な細部描写,光や空気の効果に対する鋭敏な感覚をもって描かれた数多いベネチア風景は,写真的な迫真性を特徴とし,清朗華麗なこの都市の雰囲気をよくとらえている。…
【グアルディ】より
…イタリアの画家。ベネチアの画家一家に生まれ,人物画家である兄ジョバンニ・アントニオGiovanni Antonio Guardi(1698か99‐1760)の協力者として前半生を過ごし,兄の死後,ベネチアの〈ベドゥーテvedute〉(都市景観図)を主として描くようになる。18世紀ベネチアの代表的風景画家としてカナレットと並び称せられ,その弟子という説もある。…
【パンニーニ】より
…18年ビラ・パトゥリッツィを装飾。このころから実景を描く〈ベドゥーテvedute〉(都市景観図)の画家として知られ,また幻想的な廃虚も描き,のちのピラネージに影響を及ぼす。一方で祝祭や祝典をドキュメント風に描く。…
【風景画】より
…オランダの風景画(例,ロイスダール,ホッベマ)は概して地平線を低くとって現実感や無限感を表現しようとするに対し,カトリック圏にとどまったスペイン領ネーデルラントのそれ(例,ルーベンス)は地平線を高くし,そこに生ずる大きな地面空間を物語展開の場とするイタリア的理想風景の形式を踏襲しており,オランダでもレンブラントの風景画はそれに近い。またフェルメールは傑作《デルフトの眺望》において暗箱(カメラ・オブスキュラ)により構図を決めており,この手法はグアルディ,カナレット,また版画家ピラネージ等18世紀の都市景観図(ベドゥーテvedute)作家により愛用された。 しかし18~19世紀前半の西洋の風景画発展の主流をなしたのはイギリスで,クロード・ロランの牧歌的風景画への大きな愛好はまずゲーンズバラ,やや遅れてコンスタブル,ターナーらを生み,コンスタブルは17世紀のオランダ風景画を思わせる現実描写へ,また水辺の景色を愛したターナーは光と色の交響詩ともいうべきベネチア風景その他多くの佳作を描き,やがてモネの印象派へと道を開くのである。…
※「vedute」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」