パンニーニ(読み)ぱんにーに(英語表記)Giovanni Paolo Pannini

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パンニーニ」の意味・わかりやすい解説

パンニーニ
ぱんにーに
Giovanni Paolo Pannini
(1691/1692―1765)

イタリアの画家。パニーニPaniniともいう。北イタリアのピアチェンツァに生まれ、初めボローニャで舞台意匠の修業をしたのち、1717年ごろローマ定住。その特異な画風を買われて、祝祭儀式などの記念画を手がけるようになる。翌1718年から1725年にかけてパトリッツィ家の別荘の装飾に従事するが、そのころからいわゆる街景画家(ベドゥーティスタvedutista)としての名声を高めた。とくに廃墟(はいきょ)の景観をモチーフとする18世紀最高の画家として、カナレットピラネージ台頭を促した。代表作に、対幅をなす『古代のローマ』『ルネサンスのローマ』(ニューヨーク、メトロポリタン美術館)がある。ローマに没。

[濱谷勝也]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パンニーニ」の意味・わかりやすい解説

パンニーニ
Pannini(Panini), Giovanni Paolo

[生]1691頃.ヒアチェンツァ
[没]1765.10.21. ローマ
イタリアの画家。ローマ郊外のパトリッチ家別荘のフレスコ画 (1718~25) によって名声を得,歴史画,宗教行事の記念画,風景画などを多く描いた。特に風景画では,「パンニーニ風」と呼ばれる画風を確立。代表作は2枚1対として描かれた『古代のローマ』と『ルネサンスのローマ』 (57,メトロポリタン美術館) 。

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