…ワツチ族Watutsi,ツシ族Tussiなどとも呼ばれる。東アフリカの内陸,ルワンダとブルンジ両国に住む長身の牧畜民で,農耕民フツ族Hutuと狩猟民トワ族Twaを支配してルワンダ王国,ブルンジ王国を形成した。ルワンダ王国は1959年フツ族による革命で消滅し,ブルンジ王国は62年に独立国となったが,66年のミコンベロ首相のクーデタによって共和制に移行した。…
…アフリカでは降水に恵まれた所といえるが,住民による森林破壊が進み,土壌浸食がはげしい。【戸谷 洋】
【住民,社会】
住民の85%はバントゥー系のフツ族Hutuが占め,14%をナイル語系のツチ族が占め,ピグミー系のトワ族Twaは1%以下にとどまっている。長身で明るい肌色のツチ族は,15世紀から16世紀にかけて北方より移住してきた牧畜民であるが,農耕民で多数派のフツ族を征服して従属させた。…
…東アフリカの内陸,現在のブルンジ共和国の地にあった王国。ルワンダ王国同様に,15世紀ころ北方から移住してきたナイル語系の牛牧民ツチ族が先住の農耕民のフツ族Hutuとピグミーのトワ族を支配して形成した階層的国家。1890年ドイツ領とされたが,第1次大戦後ルワンダ王国とともにベルギーの国際連盟委任統治領となり,1962年に王国として独立したが,66年にミコンベロ首相によるクーデタで共和制に移行したときに王国としての歴史は終わった。…
…【戸谷 洋】
[住民,社会]
住民の構成は南の隣国のブルンジと類似している。バントゥー系の農耕民フツ族Hutuが人口の84%を占め,ナイロート系の牧畜民ツチ族が15%,狩猟採集民でピグミー系のトワ族Twaが残りの1%を占めている。フツ族もツチ族も,言語的にはバントゥー諸語に属するルワンダ語を話すが,両者は形質的には異なり,ツチ族のほうが長身で肌の色も明るい。…
…東アフリカの内陸,現在のルワンダ共和国の地にあった王国。15世紀ころ,北方から移住してきた長身の牧畜民ツチ族の指導者ブウィンバが,先住の農耕民フツ族Hutuと狩猟民トワ族(ピグミー)を支配して建国したといわれる。神話では,王は天上神イマナの直系とされ,王は神王としての権威を与えられていた。…
※「フツ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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