鉛釉(読み)なまりゆう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉛釉」の意味・わかりやすい解説

鉛釉
なまりゆう

媒溶料として鉛を使った (うわぐすり) 。溶融度は低い。古代メソポタミアで早くから使われ,ローマ時代を経て近代ヨーロッパ陶器にまで受継がれた。中国では漢代から使われている。日本へは天平時代に伝来し,現在も広範囲に用いられている。

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世界大百科事典(旧版)内の鉛釉の言及

【釉】より

…そのため,低火度釉では800℃程度から,高火度釉では1320℃程度までの溶融温度をもつ,さまざまな組成がある。低温用には,鉛酸化物を含む鉛釉,ナトリウム酸化物を含むソーダ釉,ホウ素酸化物を含むホウ酸釉などがあり,高温用には,長石釉,石灰釉,苦土釉,重土釉,灰釉などがある。【安井 至】
【歴史】
 施釉陶を初めてつくり出したのは古代エジプト,西アジア,中国であり,他の国の製陶業はこの地域の技術を導入して施釉陶をつくりあげた。…

【緑釉】より

…陶磁器や瓦塼(がせん)など窯業製品の表面にかける釉(うわぐすり)の一種。一般に釉はガラスと同じケイ酸塩化合物であるが,ケイ酸と酸化鉛を主成分としたもの,700~800℃ほどの低い温度で溶け,艶のある滑らかな鉛釉となる。この鉛釉に呈色剤として微量の銅が加えられていると,緑色に発色して緑釉となり,銅の量によって濃淡を生じる。…

※「鉛釉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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