十分(読み)ジュウブン

デジタル大辞泉 「十分」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ぶん〔ジフ‐|ジユウ‐〕【十分/充分】

[名](スル)(十分)10に等分すること。「―の一」「利益を―して配る」
[形動]満ち足りて不足のないさま。充実して完全であるさま。「―な休養」「―に整う」
[副]
思い残すところのないさま。思うまま。「―楽しむ」「―注意する」
必要なだけ、またはそれ以上あるさま。「まだ―使える」「隣町まで5キロは―ある」
[類語](たっぷりたくさんなみなみ一杯がっつり無数多量盛り沢山豊富存分満杯満員満席満車満室満タン満点満幅飽和すべて全部全体全面満足十全十二分フル満ち足りる足る満悦充足飽満自足自得会心・充足感・充実感・自己満足本望心行く堪能たんのうする満喫する安住する・安んずる甘んずる嬉しい楽しい面白い喜ばしい喜び愉快痛快結構喜悦有頂天納得慊焉けんえん三平思わしい上機嫌ご機嫌おんの字足りる足る舞い上がる満たす気を良くする溜飲りゅういんを下げる言うことなし気に入る意に適ううきうきうはうはわくわくいそいそぞくぞく/(1存分に思うさま良くみっちりみっしりとく万万ばんばん/(2たっぷりゆうたくさんたんとごまんとわんさとうんとふんだんなみなみ一杯しっかりがっつり思い切り思う存分夥しい多く数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜい大挙多勢多人数大人数衆人莫大膨大巨万豊か潤沢無尽蔵山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作あまた多多いくらもいくらでもざらにごろごろどっさり十二分に豊富に腐るほどしこたまたんまり仰山ぎょうさん数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほど

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精選版 日本国語大辞典 「十分」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ぶんジフ‥【十分・充ジュウ分】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 十分 ) あるものを一〇にわけること。また、そのもの。
      1. [初出の実例]「太子一と度ひ二た度ひ汲に海の水十分か八分失ぬ」(出典:観智院本三宝絵(984)上)
      2. 「三千余騎と三百よきとは、十分が一分なれども」(出典:虎明本狂言・文蔵(室町末‐近世初))
      3. [その他の文献]〔周礼‐冬官・鳧氏〕
    2. ( 形動 ) 気持や気分が満ちたりて何ひとつ不足のないこと。物事が充実し、完全であること。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「身を軽くして、名を重くすれば十ぶんに死ぬべき害をのがるるとは」(出典:曾我物語(南北朝頃)四)
      2. 「Iǔbunno(ジュウブンノ) ダウリヂャ」(出典日葡辞書(1603‐04))
    3. ( 形動 ) いっぱいであること。たっぷりとあること。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「不須一曲煩用手、何必十分便開眉」(出典:菅家後集(903頃)詠楽天北窓三友詩)
      2. 「十分(しふぶん)を引いてその彩(いろ)を蕩(とらか)せば、秋の雪の洛川を廻るかと疑ふ〈紀長谷雄〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
      3. [その他の文献]〔白居易‐和春深二十首詩・其一四〕
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 満足だと感じるほどに。思うままに。
    1. [初出の実例]「先づ西洋人には十分(ジフブン)太い目論見(もくろみ)がある者と思て居なければならんでござる」(出典:交易問答(1869)〈加藤弘之〉下)

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普及版 字通 「十分」の読み・字形・画数・意味

【十分】じゆう(じふ)ぶん

十分する。充分。足る。唐・白居易春深に和す、二十首、十四〕詩 何(いづ)れの處ぞ、春深好なる 春は深し、痛飮の家 十なり、杯裏の物 五色、眼

字通「十」の項目を見る

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