《Ubu Roi》(英語表記)UbuRoi

世界大百科事典(旧版)内の《Ubu Roi》の言及

【象徴主義】より

…しかし,それはヨーロッパ演劇における最初の〈解体の演劇〉であり,マラルメの問題意識の射程の長さは,現代の演劇についてのラディカルな問いを予告していた。またこの土壌が生んだクローデルの劇作は,当時上演されなかったものの,象徴主義演劇の潜在的可能性を豊饒な演劇的宇宙につなげていたし,リュニェ・ポーが初演してスキャンダルを巻き起こしたジャリの《ユビュ王Ubu roi》は,一方でイェーツのアイルランド土着神話への回帰と,他方で20世紀初頭のダダとシュルレアリスムの先駆をなすものであった。のちのコポーのビュー・コロンビエ座の運動もマラルメを指標としたし,アルトーさえ,ある意味では象徴派の開いた地平で思考している。…

【前衛劇】より

…いわば,その後60年代から70年代前半にかけての世界的規模での前衛劇運動の高まりの原動力となったものであり,また狭義にはこの一連の動きのみをいわゆる〈前衛劇〉と考える人も少なからずいるという点で,いずれにせよこれらの新しい演劇は,20世紀演劇における前衛精神を考える上では,とりわけ大きな意味をもつということができるだろう。
[不条理劇の出現とその世界的な影響]
 〈不条理劇〉あるいは〈アンチ・テアトル〉の源泉は,世紀末のA.ジャリ作《ユビュ王Ubu Roi》の上演(1896)にさかのぼるというのが定説となっている。ポーランドという場所の指定がありながらも,かつ〈世界のどこの場所でもなく〉,開幕早々〈糞ったれ!〉という挑発的文句で観客を驚倒させたこの舞台は,のちのシュルレアリスト(シュルレアリスム)たちの演劇の指針となった。…

※「《Ubu Roi》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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