精選版 日本国語大辞典
「枉惑・抂惑・誑惑」の意味・読み・例文・類語
おう‐わく ワウ‥【枉惑・抂惑・誑惑】
〘名〙 (形動)
① (━する) 道に外れた事をして人を惑わすこと。また、そのさま。
※
往生要集(984‐985)大文一「若人労而得
二小物
一。誑惑取
二用之
一者。受
二此報
一」 〔
法華経‐勧持品〕
② ずうずうしく、ずるいこと。また、そのさま。
横着。
※
日葡辞書(1603‐04)「Vǒuacunna
(ワウワクナ)、または、
ワウチャクナ〈訳〉
道理に外れたことや、ごまかし、でたらめをする傲慢で横柄なこと」
[語誌]「誑」はキャウで本来ワウの音はないが、広くワウワクと読みならされていたものと思われる。「観智院本名義抄」では「誑」「狂」(同じく「いつわる」意)ともに和音ワウとある。おそらく意味と音が一部重なりあう「誑」「抂」「枉」「狂」「
」等が
混同を起こし、
早くからワウとして定着したと考えられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報