無得心(読み)ムトクシン

デジタル大辞泉 「無得心」の意味・読み・例文・類語

む‐とくしん【無得心】

[名・形動ナリ]《「むどくしん」とも》
得心しないこと。納得できないこと。また、そのさま。不得心。
異見言うても嘆いても、聞き入れ給はぬ―」〈浄・矢口渡
道理人情にそむくこと。また、そのさま。非道。不人情。
「あの様な―な人もめったにないものぢゃ」〈松翁道話・初〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無得心」の意味・読み・例文・類語

む‐どくしん【無得心】

〘名〙 (形動) (「むとくしん」とも)
① 得心しないこと。承知しないこと。納得しないこと。聞きわけのないこと。また、そのさま。不得心。
浄瑠璃神霊矢口渡(1770)四「異見(いけん)いふても歎げいても、聞き入給はぬ無得心(ムトクシン)、かか様がござるなら、仕様模様も有らふ物」
② 不人情であること。残忍であること。また、そのさま。無情。無慈悲
評判記役者口三味線(1699)京「殊に子をころされて、当ぶん狂女のやうな身ぶり。〈略〉いかなむどくしんな夷(えびす)も、こゑをあげてなきます」

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