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神霊矢口渡 しんれいやぐちのわたし

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

神霊矢口渡
しんれいやぐちのわたし

浄瑠璃。時代物。5段。福内鬼外 (→平賀源内 ) らの作。明和7 (1770) 年江戸外記座初演。『太平記』所載の新田義興が武蔵国矢口渡で憤死したことに始り,その遺族の後日談を描く。4段目「頓兵衛住家」が有名。

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デジタル大辞泉の解説

しんれいやぐちのわたし【神霊矢口渡】

浄瑠璃。時代物。五段。福内鬼外(ふくちきがい)(平賀源内)作。明和7年(1770)江戸外記座初演。新田明神(東京都大田区)の縁起を「太平記」をもとに脚色したもの。通称「矢口渡」。

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百科事典マイペディアの解説

神霊矢口渡【しんれいやぐちのわたし】

福内鬼外(平賀源内)作の浄瑠璃。吉田冠子,玉泉堂吉田二一補助。1770年江戸外記(げき)座で初演。新田義興の矢口渡での戦死後,その遺子をもり立てる2忠臣と義興の弟義岑の活躍を描き,義岑に恋する傾城うてなと田舎娘お舟,お舟の父で義興を死に至らしめた頓兵衛らの悪人をからませている。

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世界大百科事典 第2版の解説

しんれいやぐちのわたし【神霊矢口渡】

人形浄瑠璃。時代物。5段。通称《矢口渡》。福内鬼外(平賀源内)作,吉田冠子(3世吉田文三郎)・玉泉堂・吉田二一補助。1770年(明和7)1月江戸外記座初演。新田義興が武州矢口渡で横死し,その霊が雷電となったという新田明神の縁起を《太平記》をもとに脚色,鬼外の代表作であり江戸浄瑠璃の名作である。新田義興の死後,その遺臣由良兵庫之助と義興の弟義峰,それに思いをよせる矢口の渡し守の娘お舟と父頓兵衛の活動が中心で,歌舞伎では,94年(寛政6)8月桐座が初演。

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大辞林 第三版の解説

しんれいやぐちのわたし【神霊矢口渡】

人形浄瑠璃。時代物。福内鬼外(平賀源内)作。1770年初演。通称「矢口渡」。「太平記」に取材し、新田義興よしおきの武蔵むさし国矢口の渡しでの横死、義興の弟義岑よしみねらの苦心談、新田神社の縁起などを脚色。渡し守の娘お舟と義岑との悲恋を描いた四段目の「頓兵衛内」の場が名高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神霊矢口渡
しんれいやぐちのわたし

浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。時代物。5段。福内鬼外(ふくうちきがい)作。1770年(明和7)1月、江戸・外記座(げきざ)初演。『太平記』を原拠に、新田義貞(にったよしさだ)遺族の事跡を脚色した作だが、中心はいまも矢口渡(東京都大田区)に伝わる新田明神の縁起を描いた四段目「頓兵衛内(とんべえうち)」で、歌舞伎(かぶき)でも多く上演される。通称「矢口渡」。義貞の子義興(よしおき)が奸臣(かんしん)の裏切りで滅んだあと、義興の弟義岑(よしみね)は落武者となり、愛人のうてなを連れて矢口渡の渡し守頓兵衛の家に泊まる。かつて義興を謀殺した頓兵衛は、義岑をも討ち取って賞金を得ようとするが、娘お舟は義岑を恋して彼を逃がし、身替りに父の刃(やいば)にかかる。頓兵衛は飛んできた新田家の神矢に貫かれて最期を遂げる。蘭学(らんがく)者・科学者として活躍した平賀源内が福内鬼外の筆名で書いた浄瑠璃の代表作で、詞章にもそれらしい文句が多い。恋と孝との板挟みになるお舟の可憐(かれん)さ、瀕死(ひんし)の娘の諫言(かんげん)にも改心せぬ頓兵衛の強欲さが特色で、とくに頓兵衛には性格を表す演出が巧みにくふうされている。[松井俊諭]

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