痴人夢を説く(読み)チジンユメヲトク

デジタル大辞泉 「痴人夢を説く」の意味・読み・例文・類語

痴人ちじんゆめ

おろか者が夢の話をするように、つじつまの合わない話をする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「痴人夢を説く」の意味・読み・例文・類語

ちじん【痴人】 夢(ゆめ)を説(と)

痴人が夢の話をするように、説くところがつじつまの合わないたとえ。
※作詩志彀(1783)「世儒知らず、牽合胡説して解を費す。癡人の夢を説く如し」

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故事成語を知る辞典 「痴人夢を説く」の解説

痴人夢を説く

話がうまく通じないことのたとえ。また、話してもしかたのないことのたとえ。

[使用例] 痴人夢を説くという言葉がありますが、人生に夢が無かったら、我々の生活は何となくわびしく、すさまじきものでしょう[野村胡堂*奇談クラブ|1946~48]

[由来] 「れいさい―九」に出て来る話から。七世紀の中国でのこと。ある人が、外国からやってきた僧に「お名前は何ですか」と尋ねると、「何です」という答え。「何という国からいらしたのですか」と尋ねると、また「何という国です」という答えでした。このやりとりのことを、ようという文人は「所謂いわゆる痴人に対して夢を説くのみ(頭の状態がはっきりしない人が、夢について話をするというやつだ)」と評したということです。ちなみに、当時、外国人の僧は出身地を姓として名乗る習慣があり、実は中国の西の方に「何」という名前の国があったのだそうです。

〔異形〕痴人の前で夢を説く/痴人の夢。

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