由来(読み)ユライ

デジタル大辞泉 「由来」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐らい【由来】

[名](スル)物事がそれを起源とするところ。また、物事が今までたどってきた経過来歴由緒。いわれ。「伝説由来する地名」「神社由来を調べる」
[副]昔からそのようであるさま。もともと。元来。
「すると、才媛は―多情なものと見えますね」〈風葉青春
アクセントはユライライ。
[類語]いわれ由緒来歴故事縁起歴史沿革変遷道程歴程足跡そくせき歩み年輪因縁来由成り立ちルーツ始まる因る

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精選版 日本国語大辞典 「由来」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐らい【由来】

  1. [ 1 ] 物事が、それをもとにして現われ出ること。また、そのよってきたところ。ことの起こり。いわれ。来歴。由緒。
    1. [初出の実例]「多の大衆集り畢ぬれば、優婆崛多、此の弟子の比丘の由来を一々に語り給ふ」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
    2. 「自心に苦悩が有る時は、必ずその由来する所を自身に求めずして他人に求める」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
    3. [その他の文献]〔易経‐坤卦文言〕
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 以前からその状態であることを表わす。元来。もともと。昔から。
    1. [初出の実例]「何背国神他神乎。由来不此事矣」(出典聖徳太子伝暦(917頃か)上)
    2. 「蕎麦の延びたのと、人間の間が抜けたのは由来頼母しくないもんだよ」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六)
    3. [その他の文献]〔楊炯‐夜送趙縦詩〕

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普及版 字通 「由来」の読み・字形・画数・意味

【由来】ゆらい

来歴。原因。また、元来。〔易、坤、文言伝〕臣にして其の君をし、子にして其のするは、一一夕の故(こと)に非ず。其の由りて來(きた)る、漸(ぜん)(次第)あり。

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