苛なし(読み)イラナシ

デジタル大辞泉 「苛なし」の意味・読み・例文・類語

いら‐な・し【苛なし】

[形ク]
心が苦しい。心苦しく不安だ。
「悲しけくここに思ひ出―・けくそこに思ひ出」〈・三九六九〉
際だってはなはだしい。
「候ふ人々も―・くなむ泣きあはれがりける」〈大和・一六八〉
大げさだ。事々しい。
文挿に文はさみて、―・くふるまひて、この大臣に奉る」〈大鏡・時平〉
強い。鋭い。
「天の下の―・き軍士いくさなりとも打ち勝ちなむや」〈宇津保藤原の君〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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