言痛し(読み)コチタシ

デジタル大辞泉 「言痛し」の意味・読み・例文・類語

こちた・し【痛し/痛し】

[形ク] 《「こといたし」の音変化》
人の口がうるさい。煩わしい。
人言ひとごとはまこと―・くなりぬともそこに障らむ我にあらなくに」〈・二八八六〉
ことごとしい。おおげさだ。
殿上人、四位、五位―・くうち連れ、御供にさぶらひて並みゐたり」〈・二七八〉
たくさんである。量が多い。程度がはなはだしい。
「髪うるはしくもとはいと―・くて」〈紫式部日記
[補説]奈良時代では多く人のうわさについていう場合が多いが、平安時代になると、霜の置くさま、毛髪の多いさまなどにいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例