アサム(読み)あさむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アサム」の意味・わかりやすい解説

アサム(兄弟)
あさむ

ドイツ・バロックの美術家。兄コスマス・ダミアンCosmas Damian Asam(1686―1739)、弟エギト・クウィリンEgid Quirin Asam(1692―1750)。アサム家はバイエルン地方の芸術家の家系で、父ハンス・ゲオルクHans Georg Asam(1649―1711)はフレスコ画家。兄弟は父のもとで修業したのち、ローマに留学してバロック様式を吸収した。兄は絵画に優れ、「南ドイツのフレスコの巨匠」といわれ、バイエルンばかりでなくドイツ各地およびスイスに装飾画を残した。弟は彫刻に長じ、ロールのアウグスティヌス修道院主祭壇に『マリア昇天』のような後期バロックの好作例をつくった。ミュンヘンの聖ヨハネス・ネポムク教会(1733~1735)は兄弟が私費で設計装飾した建築である。

[野村太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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