改訂新版 世界大百科事典 「アシュクパシャザーデ」の意味・わかりやすい解説
アシュク・パシャ・ザーデ
Ahmet Aşık Paşa Zade
生没年:1393?-1481
オスマン朝初期の年代記作者。アーシュクパシャザーデĀşıkpaşazādeとも記される。オスマン朝史学の創始者と目される。アマシヤで生まれ,アナトリアの神秘主義詩人アシュク・パシャの孫として,みずからもデルウィーシュ(修行者)としての生涯を送った。また熱烈な信仰戦士(ガージー)でもあり,オスマン朝のコソボの戦(1448),ハンガリー遠征,コンスタンティノープル征服(1453)などに従軍した。オスマン王家の歴史をみずからの体験をもまじえて,素朴な叙事詩的な文体で叙述し,オスマン朝勃興期の歴史に関する最も重要な史料となっている。コンスタンティノープル征服後,市内に家を与えられ,88歳の高齢で没したと伝えられる。
執筆者:小山 皓一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報