アゼルバイジャン問題(読み)アゼルバイジャンもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アゼルバイジャン問題」の意味・わかりやすい解説

アゼルバイジャン問題
アゼルバイジャンもんだい

カスピ海西部のアゼルバイジャン地域における民族紛争問題。アゼルバイジャン人 (アゼリー人) は現在アゼルバイジャン共和国イランの東・西アゼルバイジャン州とに分かれているが,その大多数は,シーア派イスラム教徒であり,人種的にはトルコと,宗教的にはイランと密接な関係をもっている。イラン領アゼルバイジャン人は独立意識が強く,1945年にはアゼルバイジャン自治共和国を樹立したが,46年イラン軍の武力制圧により自治化の動きは抑えられた。一方,アゼルバイジャン共和国の住民も歴史的に反ロシア・反アルメニア感情が強く,ナゴルノカラバフ問題におけるアルメニア人との民族紛争は,宗教対立をその背景にもちイスラム原理主義と呼応して近隣各国やイラン,トルコを巻込んだ国際紛争にまで発展する可能性がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android