アドーネ(英語表記)〈イタリア〉L'Adone

デジタル大辞泉 「アドーネ」の意味・読み・例文・類語

アドーネ(〈イタリア〉L'Adone)

イタリア詩人マリーノの20歌からなる長編叙事詩。1623年刊。著者代表作

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアドーネの言及

【イタリア文学】より

…すでにペトラルカはラテン語による叙事詩《アフリカ》(1338ごろ執筆開始)によってローマで桂冠詩人の栄誉を受け,ボッカッチョはウェルギリウスとスタティウスに範を取って叙事詩《テセイダ》(1340‐41)を著したが,ルネサンス期に入ってまずL.プルチの《モルガンテ》(1483)が発表された。この叙事詩は武勲詩のパロディの一種であり,こうして始められた古典と中世騎士道物語の混交は,M.M.ボイアルドの《恋するオルランド》から,ルネサンス期最大の叙事詩L.アリオストの《狂えるオルランド》(決定版1532)を経て,バロック期最大の叙事詩T.タッソの《解放されたエルサレム》(1565‐75)に受け継がれ,最後にG.マリーノの《アドーネ》(1590‐1616)のあまりにも音楽的な語法の作品に達した。 ここで,15世紀から17世紀にかけてイタリア文学の背骨を成した長編叙事詩の作者たちが,フィレンツェやフェラーラなど,各地の専制君主の宮廷詩人であった事実を思い返しておく必要があるだろう。…

※「アドーネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android