日本大百科全書(ニッポニカ) 「アナディリ川」の意味・わかりやすい解説
アナディリ川
あなでぃりがわ
Анадырь/Anadïr'
ロシアの極東地方北部、ベーリング海に注ぐ川。長さ1150キロメートル、流域面積19万1000平方キロメートル。年平均流量は河口で毎秒1660立方メートル。チュコト山脈に発して南西に流下し、ついで東流してアナディール湾に注ぐ。河口にはアナディール港があり、570キロメートル上流のマルコボまで航行可能であるが、9月から5月下旬ないし6月上旬まで結氷する。流域はツンドラ(永久凍土)地帯である。1648年コサックの探検家デジニョフДежнёв/Dezhnyov(1605ころ~1673)が河口に初めて到達し、遡航(そこう)して冬営地と砦(とりで)をつくった。
[保谷睦子]