ベーリング海(読み)べーりんぐかい(英語表記)Bering Sea

翻訳|Bering Sea

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベーリング海」の意味・わかりやすい解説

ベーリング海
べーりんぐかい
Bering Sea

北太平洋の最北部にある閉鎖的な海域。東側をアラスカに、北側をシベリアに、西側をカムチャツカ半島に、南側をアリューシャン列島やコマンドルスキー諸島に取り囲まれる。面積226.8万平方キロメートル。ほぼ中央部を日付変更線が通っている。北東部の3分の1は水深200メートル以浅の大陸棚が占め、残りの海域は水深3000~4000メートルの海盆になっている。北端ベーリング海峡を通じて北極海とつながる。海峡の水深が浅いため、北極海との水の交流はほとんどない。海域の大部分が結氷し、ところによっては10か月に及ぶ。しかし、アリューシャン列島付近は黒潮の影響で結氷期間が短く、アメリカ合衆国アラスカ州ウナラスカ島のダッチハーバーは不凍港として知られる。濃霧の発生が日常的である。サケ、マス、カニ、クジラなど、水産資源の宝庫であり、日本の北洋漁業の中心地をなしていたが、戦後の日米加の漁業条約や旧ソ連との日ソ漁業協定により、操業海域が大幅に制限された。

 ベーリング海は1648年にロシアのデジニョフらが通過したが、1728年にベーリング探検隊が海峡であることを確認したことからこの名がついた。

[鶴見英策]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベーリング海」の意味・わかりやすい解説

ベーリング海
ベーリングかい
Bering Sea

太平洋北部にある縁海の一つ。シベリア,アラスカ,アリューシャン列島に囲まれる海域。ベーリング海峡で北極海と結ばれ,海水はベーリング海側から流れる。面積約 227万 km2。北東半は大陸棚,南西半はアリューシャン海盆 (最深 4085m) 。北洋の好漁場の一つ。 1648年に S.デジニョフによって発見されたが,現在の名は 1728年にここを航行した V.ベーリングにちなむ。

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