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デジタル大辞泉
「永久凍土」の意味・読み・例文・類語
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永久凍土
えいきゅうとうど
permafrost
土壌または風化層のすきまに含まれる水分が凍結し,全層を岩石のように固化させている部分を凍土といい,凍土の存在する地帯をツンドラという。地下の深部では温度が年間を通じて一定に近くなるが,これが氷点下であると凍土が永久に融解しない。これを永久凍土といい,その分布は年平均気温が氷点下の地域とほぼ一致している。気温が0℃をこえる季節には地表付近の凍土は融解するが,永久凍土の層より下方への水分の浸透は不可能であるから,地表の土壌は排水不良のためグライ層や泥炭で特徴づけられるツンドラ土となっている。永久凍土の厚さは数mから数十m,ときには数百mに達するものも知られており,シベリア,カナダ,アラスカの北部に広く分布する。南半球ではチリの南端付近に限定されている。永久凍土はきわめて固く凍結しているが,重量建造物を支える力はないうえに,除去することは一層困難なので,建築,土木工事にとって大きな障害となる。また春の融雪季に河川への集水量を急増させる原因となり,洪水を引起す。
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永久凍土
えいきゅうとうど
地温が夏の間も高くならず、少なくとも1年以上連続的に0℃以下の地温状態を保っている土壌や岩石。パーマフロストpermafrostともいう。北極を中心とするカナダ、アラスカ、シベリアなどの高緯度地域と南極大陸に広く分布し、その全面積は全陸地面積の23%(約3500万平方キロメートル)に及ぶ。永久凍土のある地域では、夏に地表面付近がわずかに溶けるだけで、地下はつねに凍結しているため、周氷河地形とよばれる独特の地形が発達する。永久凍土地域の植生は一般に貧弱で「ツンドラ植生」とよばれる。永久凍土の厚さは最大で600メートルにも達することがある。永久凍土は気候の寒冷な高山でもみられ、日本では富士山頂と北海道の大雪山で発見されている。
[小野有五]
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永久凍土【えいきゅうとうど】
地中温度が年間を通じて0℃以下で常に凍結している土壌および表層の岩石。シベリア,カナダ,グリーンランドに広く分布し,全陸地の約14%を占める。深い所は200〜600mに達する。永久凍土の多くは,数万年前から続くウルム氷期の周氷河現象の遺物と考えられる。夏季には表面だけ解け,この融解部を活動層という。活動層は含水比が高く軟弱なため,不等沈下による地表面の変形など地盤災害をおこしやすい。
→関連項目周氷河地形|ツンドラ|プトラナ高原|メタン・ハイドレート
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えいきゅうとうど【永久凍土 permafrost】
少なくとも連続する2冬とその間の1夏を含めた期間より長い間,凍結状態にある土のこと。冬に気温が0℃以下になると土が凍る。ひじょうに寒い所では凍った土が夏に溶けきらないうちに,次の冬がやってきて,再び地面から凍り始め,下の凍土につながる。そして凍土の温度が下がり,さらに下方へと凍結が進む。溶けたり凍ったりするのは,ごく表層の活動層だけで,その下には永久に溶けることのない土,永久凍土がある。その分布は現在,シベリア,アラスカ,カナダ北部,中国奥地に広くひろがり,面積は21×106km2で,地球上の全陸地の14%を占める。
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永久凍土
永続的に凍結した土地[Muller : 1947].pergelisol, tjaeleと同義.ペルゲリソン(pergelison)[Bryan : 1946].
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