朝日日本歴史人物事典 「アビラ・ヒロン」の解説
アビラ・ヒロン
スペイン人貿易商人。文禄3(1594)年,平戸に到着。長崎に居住し,東南アジア方面を往来。慶長12(1607)年には日本に戻り,少なくとも元和5(1619)年までは日本に滞在していたが,その後の消息は不明。彼が執筆した豊臣秀吉から徳川家康のころまでの移り変わる日本の歴史,地理,風俗に関する著作は,内容が豊富であり,宣教師ではない俗人の著述としては,極めて珍しいものである。<著作>佐久間正,会田由,岩生成一訳『日本王国記』<参考文献>岡本良知『キリシタンの時代―その文化と貿易』
(浅見雅一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報