アブーアルアスワド(英語表記)Abū al-Aswad

改訂新版 世界大百科事典 「アブーアルアスワド」の意味・わかりやすい解説

アブー・アルアスワド
Abū al-Aswad
生没年:?-681ころ

アラブのドゥイル族出身の詩人。第4代正統カリフ,アリーによりバスラ裁判官に任じられ,シッフィーンの戦に参加した。総督ジヤード・ブン・アビーフの命令を受けて,コーランを正しく読むための独自の母音表示法を考案し,やがて塾を開いてアラビア語の文法を教えるようになった。このため彼はアラビア語の文法学の祖と見られるにいたった。彼の母音符号は文字の上下に点を打つやり方で,現在のものとは異なる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android