アーデルハイト(その他表記)Adelheid; Adelaide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アーデルハイト」の意味・わかりやすい解説

アーデルハイト
Adelheid; Adelaide

[生]931
[没]999.12.16. アルザス
神聖ローマ皇帝オットー1世 (大帝)の第2妃。聖女。ブルグンド王ルドルフ2世の娘で,最初イタリア王ロタールと結婚し,そのとき生れた娘エンマはフランス王ロテールの妃となった。この国際的な血縁関係と高い教養,政治的見識をもって,951年オットーの妃に迎えられると,よくその政治を助けたが,息子がオットー2世として帝位につくと,ビザンチン皇女である2世の妃テオファノのため宮中での権勢を失った。オットー2世の没後,テオファノと和解し,幼い新皇帝オットー3世の摂政をつとめ,その成年 (995) 後は下アルザスのゼルツ修道院に退き,教会,修道院の設立に尽力した。

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世界大百科事典(旧版)内のアーデルハイトの言及

【オットー[1世]】より

…対外的には東方スラブ人に対する押えとしてザクセン東方にマルク(辺境領)を設置し,9世紀以降侵入を繰り返していたマジャール人をアウクスブルク近郊のレヒフェルトの戦で決定的に打ち破り(955),以後侵入は跡を絶った。西方では政情不安なフランスに調停者としてしばしば介入し,南方ではイタリア王ロタール2世の寡婦アーデルハイトの救援要請にこたえて,951年第1回のイタリア遠征をおこない,彼女と結婚してイタリアに対する権利を基礎づけた。オットーはさらにローマで皇帝戴冠を望んだが,教皇アガペトゥス2世に拒否され,本国の政治不安の報に接し軍を返した。…

※「アーデルハイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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