日本大百科全書(ニッポニカ) 「アールベルク・トンネル」の意味・わかりやすい解説
アールベルク・トンネル
あーるべるくとんねる
Arlberg Tunnel
オーストリア国有鉄道のザンクト・アントン―ランゲン間にある鉄道トンネル。ドナウ川流域とライン川流域の分水嶺(ぶんすいれい)となるアールベルク峠の下を貫く。全長1万0648メートル。1880年着工され1884年に開通した。当時は蒸気運転であったが、1925年に電化が完成した。これによってチロール州とフォアアールベルク州が鉄道で結ばれた。ヨーロッパ屈指の長大トンネルであるとともに、トンネル内の最高点が標高1311メートルという高地のトンネルとして著名である。
なお、1974年アールベルク峠の下に道路トンネルが着工され、1978年開通した。車道幅員7.5メートル(2車線対面交通方式)、長さ1万3972メートル。
[青木栄一・青木 亮]