イタンキ岬(読み)いたんきみさき

日本歴史地名大系 「イタンキ岬」の解説

イタンキ岬
いたんきみさき

絵鞆えとも半島基部の太平洋岸に面する岬。板本「東蝦夷日誌」に「イタンキ、椀の如き岬有、故号く」とあり、室蘭市と登別市との境の鷲別わしべつ岬とイタンキ岬に囲まれた海岸が椀のように円くみえたのであろう。イタンキ岬はくじら岬ともいい、沖合鯨岩があったという。「蝦夷語地名解」は「昔飢歳ニ逢ヒシトキ下場所ノ土人(絵)鞆ニ来リ、食ヲ求メントシテ此処ニ来リ、海中ノ鯨岩ヲ見テ真個ノ寄鯨ナリト思ヒ、鯨ノ流レ寄ルヲ待ツコト数日、薪尽キ遂ニ椀ヲ焼クニ至ルモ鯨岩ノ寄リ来ルベクモアラズ、竟ニ此島ニ餓死セリ、因ツテ名クト云フ」との伝説を載せる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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