室蘭市(読み)ムロランシ

デジタル大辞泉 「室蘭市」の意味・読み・例文・類語

むろらん‐し【室蘭市】

室蘭

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「室蘭市」の解説

室蘭市
むろらんし

面積:八〇・六四平方キロ

大正一一年(一九二二)八月に室蘭区が市制施行して成立。胆振支庁の南西端に位置し、絵鞆えとも半島部とそれに連なる陸地部からなり、室蘭港を囲む馬蹄形の地形をなす。北東は登別市、北西は伊達市に接する。南は太平洋に臨み、約六キロに及ぶ断崖絶壁は雄大な景観を呈している。室蘭湾の北方にかけて海岸段丘の台地が続き、北端に室蘭岳(鷲別岳、九一一メートル)がそびえる。陸地部海岸沿いをJR室蘭本線が通るが、JR東室蘭駅で分岐した室蘭本線は半島部のJR室蘭駅に至る。登別市から当市域に入った国道三六号は室蘭駅付近まで延びるが、同国道からひがし町三丁目で分岐した国道三七号は室蘭港沿いを走って伊達市に至る。陸地部中央を東西に道央自動車道が走り、室蘭インターチェンジがある。

近世の当市域はヱトモ場所・モロラン場所に所属。明治二年(一八六九)八月の国郡画定により胆振国室蘭郡所属となり、翌月同郡は仙台藩角田領の石川源太邦光の支配地となるが、第二陣の移住者に辞退者が多く、翌三年五月に支配地は罷免となった。このため室蘭郡はポロショシケ(鼈龍田村の南西)を境として西は有珠うす郡支配の伊達藤五郎邦成に、東は幌別ほろべつ郡支配の片倉小十郎邦憲に分割して支配させた。しかし同四年八月に室蘭郡は開拓使の管轄となり、同五年五月に室蘭村に開拓使室蘭出張所が置かれた(以上「地方沿革略譜」など)。同六年四月一八日に千舞鼈ちまいべつ村の室蘭移民取扱であった泉忠広(石川邦光の家老)が室蘭郡副戸長に任命された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「室蘭市」の意味・わかりやすい解説

室蘭〔市〕
むろらん

北海道南西部,内浦湾湾口の東部にある市。胆振総合振興局所在地。1922年市制。地名はアイヌ語でモルエラン(ゆるやかな下り坂の意)に由来。慶長1(1596)年頃運上屋(→運上)が設置され,入植が始まった。三方を丘陵に囲まれ,水深の深い天然の良港をもつため早くから開け,寛政8(1796)年イギリス人ウィリアム・R.ブロートンが海図作成のため来航した。19世紀末から夕張炭田の石炭積出港となり,1907年に大規模な製鉄所が設置され,急速に工業化した。造船,石油精製セメントなどの大工場も立地し,1964年新産業都市に指定された。室蘭港は国際拠点港湾。郊外では畑作中心の農業や畜産も行なわれる。北西部の白鳥台には大規模な住宅地が造成されている。東蝦夷地南部藩陣屋跡は国の史跡に指定。JR室蘭本線,国道36号線,37号線,道央自動車道(→北海道縦貫自動車道)が通り,青森,八戸,大洗などへの長距離フェリーの便がある。面積 81.01km2人口 8万2383(2020)。

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