イリジウムカルボニル化合物(読み)イリジウムカルボニルカゴウブツ

化学辞典 第2版 の解説

イリジウムカルボニル化合物
イリジウムカルボニルカゴウブツ
iridium carbonyl compound

Ir0,IrⅠ,IrⅢの化合物が多く知られている.Ir0 のものでは,たとえばIr4(CO)12は,Na3[IrCl6]とCOとの反応で合成され,室温ではきわめて安定な黄色の結晶であり,CO2中では210 ℃ で昇華する.構造は4個のIrが正四面体型のクラスターを形成し,各Irに3個ずつのCOがCで結合している.IrⅠのバスカ錯体{IrCl(CO)[P(C6H5)3]2}は,Irのまわりに2個のP(C6H5)3がトランス形に配置された平面正方形四配位型である.この錯体は,さらに各種の配位子2個を付加して,八面体六配位型になりやすい.この際,IrⅠが IrⅢにかわる場合は酸化的付加反応の代表例である.この錯体はオレフィンなどに水素添加する際の触媒の作用がある.IrⅢでは,Irのまわりに八面体六配位したK[IrX4(CO)2](X = Br,I),K2[IrCl5(CO)]などが知られている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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