イリリア語(読み)いりりあご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イリリア語」の意味・わかりやすい解説

イリリア語
いりりあご

バルカン半島を中心に栄えたと考えられる古代言語。この名称は古代ローマ時代にバルカン半島の北西部イリリクムとよばれた地域の名にちなむ。古代史家の伝える固有名語以外に、この地独得の言語資料はない。この語は、先史時代にインド・ヨーロッパ(印欧)語族一派としてヨーロッパに広く分布し、南へ大移動したという説が一時クラーエH. Kraheらによって主張され、南イタリアメッサピア語と北のベネスト語もこれに含まれたが、現在では否定されて幻の言語となった。

[風間喜代三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android