最新 地学事典 「インド太平洋区」の解説
インドたいへいようく
インド太平洋区
Indo-Pacific region
現生の海生軟体動物に関する生物地理区の一つで,A.M.Davies(1934)が命名。マダガスカル島,オーストラリア北部以北のインド洋全域と太平洋の大部分がこれに含まれる。太平洋での北縁は中部日本およびカリフォルニア南部沖合を結ぶ線で,北側の北太平洋区(Northern Pacific region)と接する。東側にはカリフォルニア,メキシコ沿岸のパナマ区(Panamic re-gion)がある。暖流系動物群によって占められ,Nautilusは特徴属の一つ。日本のいわゆる黒潮型の動物群は本区に属し,親潮型の動物群は北太平洋区に属する。インド-太平洋区は新第三紀に入ってから成立し,今日に及んでいるものである。S.Ekman(1953)は陸棚上の暖海型動物群(軟体動物以外を含む)の生物地理区として,インド-西太平洋区(Indo-West Pacific region)と大西洋-東太平洋区(Atlanto-East Pacific region)とを認めた。前者はDaviesのインド-太平洋区にほぼ相当するが,東縁はもっと西に寄り,ハワイ付近にある。
執筆者:水野 篤行
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

