日本大百科全書(ニッポニカ) 「インネス」の意味・わかりやすい解説 インネスいんねすGeorge Inness(1825―1894) 19世紀アメリカの代表的な風景画家。イネスともいう。ニューヨーク生まれ。ほとんど独学で絵の道に入り、初めハドソン・リバー派の影響下にあったが、1853年ごろフランスでバルビゾン派にひかれて以来、叙情的な田園風景を描くようになった。1870年から4年にわたるイタリア生活によって円熟期を迎え、情感の濃い繊細な作調が表れてくる。1880年以後、写景的な要素が後退して内景描写に向かい、神秘主義的な暗い幻想に浸っていった。代表作に『サギの棲家(すみか)』(1893年。シカゴ美術館)がある。[桑原住雄][参照項目] | ハドソン・リバー派 | バルビゾン派 インネス『サギの棲家』 インネス『平和と豊穣』 インネス『バルベリーニ宮殿の松林』 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例