ウイゴンベ(読み)ういごんべ(その他表記)Many-rays hand-fish

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウイゴンベ」の意味・わかりやすい解説

ウイゴンベ
ういごんべ / 宇井権兵衛
Many-rays hand-fish
swallowtail hawkfish
[学] Cyprinocirrhites polyactis

硬骨魚綱スズキ目ゴンベ科に属する海水魚。千葉県館山(たてやま)以南、西部太平洋、インド洋マダガスカルまで分布する。背びれ軟条は16~17体と多く、尾びれの後端は深く二叉(にさ)するのがこの種の特徴である。体は高く、よく側扁(そくへん)する。頭の背面は目の上でくぼむ。口は小さいが、上顎(じょうがく)の後端は目の前縁を越える。背びれ各棘(きょく)の先端から数本の皮弁が出る。第1軟条は糸状に長く伸びる。胸びれ下部の6軟条は肥厚する。体は一様に橙色で、体側に不鮮明な不定形の暗色斑紋(はんもん)がある。全長15センチメートルほどになる。20メートル以浅の岩礁域で海底から離れて遊泳し、危険が迫ると岩穴に逃げ込む。おもに遊泳性の小型甲殻類を食べる。

[尼岡邦夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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