大学事典 「ウィリアムズ・カレッジ」の解説
ウィリアムズ・カレッジ[アメリカ]
ボストン隣接のハーヴァードとは対照的に,マサチューセッツ州の西端,森林地帯の小さな町に所在する,1793年創立のアメリカ合衆国の代表的なリベラルアーツ・カレッジ。学生数は2000余,教員との比率は7対1と,類似校の中で最高の教育条件を備える。人文,社会,自然科学の36の専修分野での行き届いた教養教育の一部は,交流の深いオックスフォードに倣い,学生2名教員1名を基礎単位とするウィリアムズ版チュートリアル方式で実施される。近隣の施設・環境を活用した美術史,途上国の実務家向け開発経済学の2分野では大学院修士課程を有し,学士卒業生の90名前後が経済学を専修するなど,教養教育の学問的水準の維持にも繫げている。工学に関心の深い学生には,カリフォルニア工科大学在学の機会がある。卒業後,約6割は学術ないし専門職の大学院へ進学する。かつて青年心理学で一世を風靡したG. スタンレー・ホールからヤンキースの所有者スタインブレナーまで,卒業生は多彩である。
著者: 立川明
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報