改訂新版 世界大百科事典 の解説
ウェスタン・エレクトリック[会社]
Western Electric Co.
世界最大の通信機器メーカー。本社ニューヨーク。1869年にクリーブランドで設立されたグレー・アンド・バートンという電気器具店が前身で,82年アメリカン・ベル・テレフォン社(ベル・システムの親会社)の傘下に入ったが,1900年同社がAT&T(アメリカ電話電信会社)に吸収されたのに伴い,AT&T傘下になった(現在も100%子会社)。現在,ウェスタン・エレクトリック社の製造ないし購入して納入する通信機器の9割強はベル・システム向けである。生産品目は,電話機,電話交換装置,銅ケーブル,光ケーブル,IC(集積回路)をはじめとする電子部品など幅広い。親会社のAT&Tがアメリカの電話事業を支配する独占企業であるため,司法省とAT&Tの間で争われた3回の反トラスト訴訟(1909,49,74)では同社の分離・解体問題が争点の一つとなっている。1984年AT&Tテクノロジーに社名変更。売上高130億ドル(1981年12月期)。
執筆者:青木 良三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報