改訂新版 世界大百科事典 「オウロプレト」の意味・わかりやすい解説
オウロ・プレト
Ouro Prêto
ブラジル南東部,ミナス・ジェライス州の小都市。人口5万3528(1975)。標高1061mにあり,1897年州都が114km離れたベロ・オリゾンテに移るまで,この地方の行政の中心地であった。旧名はビラ・リカ・ド・オウロ・プレトで〈黒い金の富める町〉の意。18世紀前半のブラジルの鉱業経済期には,この町に代表されるミナス地方がブラジル経済の中心地であった。植民地時代のブラジルの産金量約100tのほぼ80%はミナスから出ている。金鉱の発見は1693年といわれ,ブラジル植民地の各地とポルトガルから移住者が殺到した。成功した鉱山主は,競って豪華なバロック式教会を献堂した。サンタ・イフィジェニア教会,鉱業学校,彫刻家アレイジャディーニョの作品があり,植民地時代の都市の景観が観光客を引きつけている。
執筆者:山田 睦男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報