景観(読み)けいかん(英語表記)landscape; Landschaft

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

景観
けいかん
landscape; Landschaft

一定範囲の地表空間,すなわち目に映じる景色,または風景をさす。一般に自然景観人文景観とに分けられる。前者は水,地形,植生などを構成要素とし,後者は人間の経済的,文化的活動の営みによって形成されたものをいう。これらの構成要素を分析し,その結果を総合することによって,地表空間の特性を明らかにすることは,かつて地理学研究の一方法とされた。これが,20世紀初頭ドイツで盛んになった景観論である。また人文景観の形成過程では,原景観,歴史景観,化石景観 (地下に埋没した過去の景観) ,現景観と区別して呼ぶこともある。

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デジタル大辞泉の解説

けい‐かん〔‐クワン〕【景観】

風景。景色。特に、すばらしいながめ。「壮大な景観
《〈ドイツ〉Landschaft、〈英〉landscapeの訳語。植物学者の三好学が考案》人間が視覚的に認識する風景。もとは地理学・植物学の用語。「文化的景観」「景観保全」

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世界大百科事典 第2版の解説

けいかん【景観】

景観は,一般には,景観美という使い方に代表されるように,風景に近い意味あいをもった言葉として理解されている。しかしこの言葉は,地理学の中では地表の空間的まとまりを表現する場合にも用いられてきた。景観は,植物学者の三好学がドイツ語のラントシャフトLandschaftに与えた訳語であるが,ラントシャフトの概念そのものの中に,すでに視覚的意味と地域的意味の並立を認めることができる。これは,ラントシャフトが古くから地域という意味をもっていたのに対して,ルネサンスの時代に絵画的意味が付加され,それが人間の視覚に映る形態すなわち相観という意味に発展したことに由来する。

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大辞林 第三版の解説

けいかん【景観】

けしき。ながめ。特に、すぐれたけしき。 「アルプスの大-に触れる」
ドイツ Landschaft〕 人間の視覚によってとらえられる地表面の認識像。山川・植物などの自然景観と、耕地・交通路・市街地などの文化景観に分けられる。 「都市-」

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世界大百科事典内の景観の言及

【気候景観】より

…ある場所の気候環境を,直接あるいは間接的に反映している景観を総称していう。気候景観を内容から区別すると,自然景観的な気候景観と人文景観的な気候景観に分けることができる。…

【相観】より

植物群落を外観的にとらえた様相。単なる景観ではなく,植物群落の形・構造を反映したもの。主として植物群落の優占種の生活形によって決められ,植物群落の分類にも用いられる。…

※「景観」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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