オリゴヌクレオチドアレイ解析

内科学 第10版 の解説

オリゴヌクレオチドアレイ解析(遺伝子診断)

(3)オリゴヌクレオチドアレイ解析
 遺伝子発現プロファイルや比較ゲノムハイブリダイゼーション(comparative genomic hybridization:CGH)などの網羅的ゲノム解析によって,複雑な生命システムの全体像から迫る病態解析が可能になった.びまん性大細胞型Bリンパ腫(DLBCL)における解析が臨床に応用されている.2000年の遺伝子発現アレイ解析によって,胚中心B細胞様(germinal center B-like:GCB〜),活性化B細胞様(activated B-like:ABC〜),いずれの特徴も示さないタイプⅢの3型に分類された.GCBタイプは胚中心B細胞に特徴的な遺伝子発現特性を示すもの,ABCタイプは,in vitroで末梢血B細胞を活性化した際に誘導される遺伝子発現特性を示すものである.この所見を診療に応用するために,CD10,BCL6,MUM1の発現を免疫組織化学的に検討しDLBCLをGCBとnon-GCBの2つのグループに分類することが行われている.一方,オリゴヌクレオチドアレイが網羅的ゲノム解析にも応用されており,予後因子となる遺伝子マーカーの同定に寄与している.[谷脇雅史]
■文献
Jaffe ES, Harris NL, et al eds: World Health Organization Classification of tumors. In: Pathology and Genetics, Tumor of Hematopoietic and Lymphoid Tissues, IARC Press, Lyon, 2001.
滝 智彦,谷脇雅史:造血器腫瘍の染色体検査(遺伝子検査)(Medical Practice編集委員会編), pp566-568,文光堂,東京,2005.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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