同定(読み)ドウテイ(その他表記)identification

翻訳|identification

精選版 日本国語大辞典 「同定」の意味・読み・例文・類語

どう‐てい【同定】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 同一であると見きわめること。
    1. [初出の実例]「いろいろなウイルスを同定し」(出典:ウイルスの世界(1965)〈川喜田愛郎〉二)
  3. 動物植物の分類学上の所属を正しく決めること。
  4. 単離した化学物質が何であるかを決定すること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「同定」の意味・わかりやすい解説

同定 (どうてい)
identification

生物の分類に際して,与えられた材料がどの分類群に属するかを判定する作業手順としては,それが現在知られているどの分類群の変異域に収まるかを鑑定し,その分類群の学名に合わせる。すべての分類群の範疇はんちゆう)が確定されたものでないことを考えれば,同定という作業には,鑑別された分類群の定義が正しいかどうかという批判が含まれるべきはずであるが,一般には,鑑定と同じような意味で同定という語が使われることが多い。

 未知の生物を同定する場合,その生物を得た地域の生物誌を参照し,検索表で見当をつけ,記載を検討し,図や,さらに可能な場合はすでに同定されている標本と対比させて最終的に同定する。ただし,厳密にいえば,分類群のすべてについて研究が行われて初めて完全な同定ができるのであり,それ以前になされる同定は仮のものであり,つねに変更される可能性をはらんでいるといえる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android